万葉集より「韓人の衣染むと言ふ」:作曲 / 小林範子

韓人の衣染むといふ (大納言に任ぜられた大伴旅人への太宰府での送別の歌) 麻田連陽春

韓人の 衣染むといふ 紫の情に染みて 思ほゆるかも

大和辺に 君が立つ日の近づけば 野にたつ鹿も とよめてぞ鳴く

【歌の訳】

韓人が衣を染めるという、紫の色のように、あなたのことが心にしみるように懐かしく思わます(No.569)。大和へとあなたが出発される日が近づいたので、別れをしのんで、野に立つ鹿までもあたりに声を響かせて鳴いています(No.570)。

【解説】 旅たちの歌 これも旅立ちの歌です。紫の色のように、あなたのことが心にしみるように懐かしく思われますと歌っています。紫染めの衣服は昔、高貴な人の身につける色でした。その昔、エーゲ海やペルーから紫貝で染色する技法が伝わったようですが、量産が難しく、九州でとれる植物の紫を用いる染色が主流になり、紫は租税としてもおさめられました。

A Purple Farewell Song      

Farewell poems to Otomo-no-Tabito by a Official of Dazaifu, Asada-no-Muraji-Yasu                                                   

Like purple color

Said to tincture the dresses

Of  Kara* people, 

You tincture my heart purple,

So I ever remember you.   (No 569)

*(Korea or China in olden days)

The day you depart

For the Province of Yamato

Is now drawing near,

And the deer in the plain yonder

Are belling very loudly. (No 570)

Reference Book for English Translation

 “The Man’yo-syu Complete English Translation in 5-7 Rhythm”     Published by

   Kanda Institute of Foreign Languages / Kanda University of International studies 

YouTube動画サイトは毎週金曜日19時に音楽作品・コンテンツを発信しています。

録音はあけぼのホールで行っています。

あなたのためのオリジナルソングも作成しますので是非こちらからお問い合わせください。https://akebono-hall.com

ホームページリンク: Aria& Academia 小林範子サイト https://kobayashi-noriko.com

いにしえの10の愛のうた

女声合唱とピアノのための『いにしえの10の愛のうた』(カワイ出版)
万葉集による女声3部合唱曲集ができました!

TRACKLIST

トラック番号タイトル
1つき草のうつろひやすく
2天の鶴群(あめのだづむら)
3敷島の大和の国は
4春過ぎて
5思はじと言ひてしものを
6東の野にかぎろひの立つ見えて
7いにしへに織りてし機を
8瓜食めば
9秋の野に
10韓人の衣染むといふ

価格 1,800円(税込)

STORES.jpで購入する